肥満と勃起不全には非常に深い関係があり、肥満が勃起不全を引き起こしていると言っても過言ではありません。
暴飲暴食を繰り返し、運動不足の状態が続くと内臓脂肪が過剰に増加し、内蔵肥満型肥満となります。
そこに高血糖・高血圧・脂質異常が加わると、メタボと診断され、勃起不全の原因となります。

まず、勃起不全の原因として考えられるのが、性ホルモン結合タンパクの増加に伴う、テストステロン値の低下です。
テストステロンは男性ホルモンの一種で、勃起や陰茎をはじめ、男性の機能に大きな影響を与えますが、肥満によって性ホルモン結合タンパクが増えてしまい、多くのテストステロンと結合してしまうことによって、テストステロン値を低下させてしまうのです。
その結果、勃起不全を引き起こしてしまいます。
メタボは体内の糖代謝システムや高血圧を抑える働きを弱め、高血糖・高血圧・脂質異常を引き起こし、動脈硬化を発症させるリスクを高めます。
動脈硬化が進むと、血管にダメージを与え、血流が悪くなりますから、血管内皮細胞が傷つき、血管を拡張して勃起を促す一酸化窒素(NO)の生成が低下してしまい勃起不全の原因となります。

また、動脈硬化は活性酸素によっても引き起こされるリスクが高まります。
活性酸素は、呼吸によって酸素を取り込み、栄養素を燃焼するプロセスで発生しますが、暴飲暴食を続けていると、活性酸素が大量に発生し、脂質やたんぱく質、核酸などを傷つけて「過酸化脂質」を生み出します。
過酸化脂質は体中の血管にダメージを与え動脈硬化を引き起こしますから、その結果、勃起に必要な一酸化窒素(NO)の生成を低下させます。
30代後半頃から、食べる量はそんなに変わらなくても、腹回りを中心に脂肪が付きやすくなります。
これは、年齢とともに基礎代謝の力が弱くなることが原因ですから、意識して食事の量をコントロールしたり、適度な運動を取り入れ、体脂肪の増加を抑制することが、勃起不全になるリスクを回避します。

肥満は色々な病を引き起こす

肥満は勃起不全だけでなく、様々な病気を引き起こします。
肥満と病気の関係で、最も注意しなくてはならないのが、糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病であり、これらの病気が重複して発症するのがメタボです。
この状態を放置してしまうと、内臓脂肪は増え続け、生活習慣病を悪化させますから、体内の血管を傷つけ動脈硬化を引き起こします。
動脈硬化が怖いのは、心筋梗塞や脳卒中などの重大な病気へと進む原因ともなります。
特に心筋梗塞は日本人の死亡原因で、ガンに続く多さですから油断できません。
そもそも、日本には小太りの人は多いのですが、欧米のように超肥満体の人は多くありませんでした。
というのも、日本人は、インスリンの分泌能力が低いため、内臓脂肪が増えると、糖尿病をはじめとした生活習慣病になりやすい体質です。
しかしながら、食生活の変化などにより、脂質の多いものを過剰に摂取するようになったことから、肥満が増え続けています。

また、人間の身体は、年齢とともに筋肉量や骨量が減りますから、必然的に身体を支える能力は低下します。
しかしながら、過剰に体脂肪が増えていくと、身体を支えきれなくなりますから、腰痛や膝痛などの関節障害や転倒による骨折を起こすこともあります。
さらに、高尿酸血症から痛風を発症させたり、脂肪肝やすい炎、突然死の原因とされる睡眠時無呼吸症候群にも大きな影響を及ぼします。
また、日本人の死亡原因の中で最も多いガンについても、大腸がんや前立腺がん、乳がん、子宮がんなどのリスクを高めます。
このように、肥満はあらゆる病気を引き起こしますから、日頃からしっかりと予防することが必要ですが、勃起不全の原因の多くは肥満ですから、その兆候が現れたら、生活習慣病などの検査を受けることも大切です。